手抜きを徹底的に排除した塗装工事をしようと決めたいきさつ
代表の相川です。今日も元気にブログを更新します。
これまでのブログで、塗装業界の手抜きについてお話してきましたが、そんな私が、手抜きを徹底的に排除した塗装工事をしよう、と思ったいきさつについてお話します。
私は、もともと若い頃から、誰に言われたわけでもありませんが、
「手抜きとは、それはすなわち業者の利益であり、詐欺である」
と、常々思ってはいました。材料もカット、労力、人件費もカット、時間もカット。お客様がそれでいいと言っているのならいいですが、ちゃんとやってくれると思って支払ってる金額で、まさかそんな手抜きをしているとは思ってもいないお客様が、もし知ったとしたらそれでいいと言うわけがありませんから、「これって本当に詐欺だよなぁ」といつも思っていました。
そして、いつも嫌だった事は、散々手抜きをしていながらも、パッと見ではきれいに仕上がっているので、お客様は、その現場の責任者や、私たちに対しても、
「きれいに仕上げて頂いてありがとうございます」
とお礼を言って下さることが、私はすごく気まずくて、心苦しくて嫌でした。お金を出して下さっている人からお礼を言われて、気まずい気持ちになる塗装屋って嫌な仕事だな、とも思っていました。
しかし、お客様からそうお礼を言われた現場の責任者は、
「喜んで頂いて良かったです。こちらこそありがとうございます。」
と得意気になって言っていました。
これが何より一番嫌でした。なんでそんなに得意気な顔ができるのか?こんな手抜きをしておいて、お礼を言われて気まずくならんのが信じられん、といつも思っていました。
その後、独立しましたが、独立してはみたものの仕事は無く、色々な塗装業者の応援周りばかりをしていました。本当に色々な塗装業者の応援に行かせて頂きましたが、やはりどこでも、なんらかの手抜きはいくつか必ずしているものでした。
「水洗いをいい加減にする」、「湿度、気温を守らない」
この二つに関しては、どこの業者も守ってはいませんでしたが、その他の手抜きについても、ある業者はこの手抜きとこの手抜きはしているけど、他は守っている。またある業者は、また別の、この手抜きとこの手抜きはしているけど他は守っている。というように、各業者毎に、守っている事と守っていない事には違いがありました。
そんな応援周りをしていた私は、応援の使われている身でありながら、自分の納得できないことについて、あれこれと応援先の職人に口出ししてしまっていた事がありました。
当然、使われている分際で口出ししてくるので、煙たがられたり、呼ばれなくなったりしました。そういう時、私は、
自分も含めて、職人は頑固な奴が多いからこんな事もあるよな
と、自分の事を棚に上げて相手に対して不満を持っていました。今思えば、本当に大馬鹿野郎だったと思います。しかも、これも後から思えば、自分のやり方こそ間違っていたり、手抜きだったりした事もありました。本当にめんどくさい、最低な奴だったと思います。
しかし、何かきっかけがあったのか、無かったのかは忘れてしまいましたが、ある時ふと、
「このままでは現状は何も変わらない。まず、自分が良くない。使われている身なんだから、とにかく自分の振る舞いを直そう」
と思いました。そう思ってから、まず、
どんなに納得のいかない事でも、おかしなやり方であっても、手抜きであっても、罵倒されても、仕事の無い応援の分際なのだから素直に黙って従う事。
そして、冷静に見て、良いと思うやり方、しっかりしたやり方は、全て自分のものにして取り入れる。
という風にしていこうと決めました。一回り以上年齢が下の、経験年数も自分より少ない職人の言うことも、無駄なプライドを捨てて素直に全て従い、またその職人の良いと思ったやり方、しっかりしたやり方は、全て自分の中に取り入れる事にしました。
「良いやり方、良い仕事は何でも取り入れて、悪いやり方はその現場では素直に従うけど、自分の中では排除する」
という風にやっていきました。私は、無駄なプライドの塊のような人間だったので、きっと大変だったと、我ながら思います。
そうやって数年をやっていくうちに、ある時、
「今の自分よりも良い仕事をする職人、良いやり方をする職人に、ここ1年ほど出会っていないような気がする」
と思いました。
こういう事を自分で言ってしまうと、またおこがましく思われてしまうのは百も承知ですが、しかしそういう風に思った時も、常に、良いものは取り入れる、という学ぶ姿勢は持ち続けていましたし、今でも持ち続けています。
しかし、現実にそういう職人に出会う事がなくなってきて、思いました。
「昔からよその職人には絶対に負けない水洗いのきれいさも含めて、塗装の仕上がりのきれいさも含めて、手抜きを嫌がる自分の性格も含めて、そして色々な塗装業者の良いものだけを全て取り入れてきた自分のような塗装職人は、なかなかいないのではないか。それならば更に、手抜きが多過ぎる塗装業界において、どんな手抜きも一切しない塗装工事をする事によって、仕上がりのきれいさも、塗装の持ちも、よそよりも断然に良いものに仕上げる事ができる。自分ならばそれができる。
と思ったのです。これが、私の信念のいきさつです。
若い頃の私は、本当に頑固で生意気でした。しかし、無駄なプライドを捨てる事ができて、今では本当に良かったと思います。なので、無駄なプライドを捨てようと決めた当初、実は大変だったという記憶はそんなにありません。仕事のやり方、知識、手抜きのやり方、しっかり守っている素晴らしいやり方、全て勉強になったからです。
以上、私の信念、手抜きを徹底的に排除した塗装工事をしよう、と思ったいきさつでした。
しかし、これがまたどこのどの業者も、必ず、
「うちは手抜き工事は絶対にしません」と、ウソばかり言います。一般の方は、何が手抜きなのかわからないのと、常に職人を見ている事はできないからです。
契約時に、それがウソか本当かを見破る方法などありません。どんなに、「私は人を見る目には自信がある!」という人でも、人のウソなど簡単に見破れるものではありません。
だから、業者選びは選ぶ人の運次第、としか言いようがないのです。
そして、そんなウソを、何も知らない方が工事の時に少しでも見破れるようにと、こんなブログも書いてみたのです。ただ、実際にその時に手抜きに気づけたとしても、すでに契約後で工事も始まっている状況なので手遅れではありますが、、
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代表の相川です。今日も元気にブログを更新します