塗装業界の手抜きの手口 全11選
代表の相川です。今日も元気にブログを更新します。
今回は、あらゆる塗装現場で、今現在もされている、
手抜きの手口、全11選
をお話させて頂きます。
「うちは昔から信用できる塗装屋さんにお願いしているから大丈夫」と思われる方もいらっしゃると思います。
実際に、お客様としては、信じる他ないのが塗装工事、建築工事です。手抜き工事をされていた場合、お客様がそれを見破る事はほぼ不可能であり、お客様としては、現実として業者を信じるしかありません。だから、何度も言うように、「塗装業者選びは選ぶ人の運次第」としか言いようがないのです。
そこで、手抜きの種類とは別に、その手抜きはどれくらいの確率でされているのか?また、見破ることはできるのか?についても、お話させて頂きます。
確率に関しては、私の経験上になりますが、200以上の塗装業者、塗装職人と仕事をしてきた中での数字なので、確率は決して間違っていないと思います。
それでは、さっそく手抜きの手口11選です。手抜きの種類の後に、その手抜きをされる確率と、見破れるか、見破れないかを、(可能)もしくは、(不可能)等と書いて、その見破り方も簡単に書かせて頂きます。
1番は、今までのブログでもお話してきた通りの、「水洗いをいい加減にする」です。この手抜きをされる確率は、100%です。
1 水洗いをいい加減にする
される確率=100%
見破れる可能性=可能。水洗い後に、玄関周り以外の外壁を触って、チョーキング、汚れが付いていないかを確認すること(玄関周りは、お客様も手と目に付きやすいため、そこだけはきれいにする業者もいるため、玄関周り以外の外壁を触って確認すること)
※ほとんどのお客様(ほぼ100%のお客様)もまた、塗装業者が行った水洗い後に、本当に外壁がきれいになっているのかを自ら外壁を触って確認しないため、チョーキングを落とし切る業者は経験上100%いない
2 ※塗装業界の暗黙の手抜き
どのメーカーのどの塗料も、湿度85%以上気温5度以下では塗装をしてはいけない使用になっているが、湿度や気温を守らないで塗装をする。それを守っていたら仕事が進まない。利益、給料が減るため。また、塗装業界の暗黙の手抜きであるため(一般の方はほとんど知らないため、昔から今現在も、暗黙の手抜き工事となっている。今は各塗料メーカーのホームページにもちゃんと記載されてはいるが、一般の方はまずそこまで調べない)
される確率=ほぼ100%
見破れる可能性=可能。その時の湿度、気温を確認する
3 塗料を規定以上に薄めてたくさんの面積を塗る
される確率=30%前後
見破れる可能性=ほぼ不可能。その塗料の希釈率を調べる事と、常にお家にいて、職人が塗料を作る度に、希釈率を計算して秤でちゃんと測っているかを隣で見る事ができれば可能
4 塗料を無理やりこすりつけてたくさんの面積を塗る
される確率=10〜30%
見破れる可能性=ほぼ不可能。よーく見れば、下地が透けている事も多いが、上塗り2回目を塗られたらなかなか透けることはない。劣化症状は早くに出るが、お客様もその劣化症状に気付かない人も多く、また、気付いたとしても、こんなものかと納得してしまうため
5 下塗りとは別に、中塗り、上塗りと2回塗らなければいけないものを、1回しか塗らない
される確率=業者が下請けか、自社請けかによって確率に幅がある。下請けの方が確率は高い
見破れる可能性=ほぼ不可能。お家に常にいて、工事の進み具合を常に観察できれば可能。また、技術がある職人ほどわかりづらく1回できれいに塗るため、技術がある職人ほど、塗り終わった外壁を見ただけでは難しい
6 下塗りを塗らない
される確率=5%前後
見破れる可能性=下塗りのタイミングにお家にいて、工事をよく観察できれば可能。確率が低い理由は、塗装業界でも最悪の手抜きと見られているため、この手抜きをする業者は比較的少ない
7 希釈が必要な塗料でも全く希釈しないで塗装する
される確率=5番目の手抜きと関連あり
見破れる可能性=不可能
8 塗り終わった塗料が乾燥しきっていないのに、重ねて2回目、3回目と塗る
される確率=70%以上 寒い季節になればなるほど確率は高まる。気温が低いと乾燥に時間を要するため、作業の待ちの時間を作る事を嫌がり、確率はもっと高まる
見破れる可能性=ほぼ不可能。常にお家にいて、工事をよく観察する事や、ご自身の手で外壁を触って、塗り終わった外壁の乾燥度合いを確認する事ができれば可能
9 主材、硬化剤とセットになっている2液型塗料の比率の割合(7対1 、 9対1等)を、計算機で計算せず、秤でも計らず、自分の感覚で入れて混ぜて使う。
※建築業界は、学生の頃に勉強してこなかったという職人が多く、計算ができない、計算式もわからないという職人が非常に多い。そのため、計算機アプリがあっても、そもそも計算式がわからないため計算できない事と、計算できる職人であっても、めんどくさがって計算して秤で計ることをしない。
される確率=90%以上
見破れる可能性=ほぼ不可能。使用される塗料がセットの2液型塗料である事を知っておく事と、職人が毎回塗料を作る度に、計算機を使って比率を計算している所を確認する事や、秤でちゃんと測っているかを隣で見る事ができれば可能
※この件について詳しく書いたブログ↓
10 下塗りを、サッシ周りや、軒天の角までしっかり塗らない。手間がかかって面倒なため
される確率=80%
見破れる可能性=不可能
11 下地処理をしない
される確率=下請けか、自社請けかによって確率に幅がある。下請けの方が確率が高い
見破れる可能性=お家にいて、工事初期によく観察する事ができれば可能
番外編(度が超えている事と、確率も少ない。私はそれぞれ1度ずつ目の当たりにした事のある手抜き)
12 グレードの高い塗料の使い終わった空缶に、グレードの低い安い塗料を入れてグレードの高い塗料と見せかけて使う
される確率=1%以下
見破れる可能性=不可能
13 下塗り塗料と中塗り塗料を混ぜ合わせて使い、「下塗りと中塗りをいっぺんに終わらせた」とする
される確率=1%以下
見破れる可能性=工事初期によく観察できれば可能
以上、塗装業界の手抜きの手口11選+番外編でした。
以上の、手抜きの手口11選については、今現在もあらゆる塗装現場でされています。これは、みんながみんな、これらの手抜きを全てやっている、という事ではなく、この手抜きはしていないけど、この手抜きはしている、というように、業者毎にそれぞれしている手抜きの種類や数は違います。
しかし、1番と2番の、確率ほぼ100%のものは、ほぼ皆、守っていない手抜きになります。特に、2番の、湿度や気温によっては塗装をしてはいけない、という手抜きは、塗装業界では、暗黙の手抜き工事になっています。
全国には、守っている業者も当然いますが、その数は本当にごくわずかであり、全体としては、とても少ないです。塗装業者の多さ、母数の多さから言えば、そして私の経験から言ったら、ほぼ100%守られていない手抜きが、1番と2番です。
これらの手抜きは、大手ハウスメーカー、街の塗装業者等、関係なくされています。むしろ、大手ハウスメーカーの方が確率は高いです。
この大手ハウスメーカーの、塗装のお話についても、いずれさせて頂きます。
「誰もが知る大手上場企業のハウスメーカーが、そんな事をするはずがない!」
と驚く事でしょう。
しかし、考えたら誰でもわかる事です。大手ハウスメーカーは指示していなくても、大手ハウスメーカーから安く工事を請け負っているのは、名も無い街の下請け塗装業者です。大手ハウスメーカーの、様々な手抜き工事の塗装現場を、私は過去、たくさん手伝ってきてしまいました。事実として、手伝いに行った大手ハウスメーカーの現場での手抜き率は、経験上100%です。
そして、番外編に関しては、明らかに度が超えてはいますが、しかし、先の11選の手抜きについても、どれも業者の利益であり、詐欺である事には変わりありません。もちろん、どの手抜きも耐久性も劣ります。
この手抜きは良くないけど、この手抜きならやってもいい、というのもおかしな話だと思います。各業者毎に、それぞれの正義と、それぞれの妥協するところは違います。
以上、塗装業界の手抜きの手口11選+番外編でした。
次は、私もしてしまった事のある、手抜きのお話をさせて頂きます。今はどの手抜きも一切していないからと言って、塗装業界の闇、塗装業界の真実を暴露しておきながら、自分が過去した事のある手抜きの話はしない、というのはフェアではありません。
あわせて読みたい
9割の塗装業者がしている2液塗料を計らない手抜き
代表の相川です。今日も元気にブログを更新します
私がしてしまったことのある手抜き
代表の相川です。今日も元気にブログを更新します